トーナメント中継を見て、ラウンドしたいなと思う憧れのコースを詳しく紹介するこのコーナー。富士山が眺められる風景をプレーとともに、いつまでも記憶にとどめたくなる、太平洋クラブ御殿場コースの最終回!

「コースの魅力はどこにあるのだろうか」「どんなコースがよくて難しいのか」と聞かれることがある。ゴルファーの技量によりコースから受ける印象はそれぞれのため一概には言えない部分もあるが、少なくともプレーしていて飽きないことだ。飽きないとは「面白い」「挑戦意欲が湧く」「景観とコースがマッチして美しい」そして「もう一度プレーをしたい」ということだと思う。

これらの条件に当てはめてみると、自分にとって「いいコースとは」の答えが見つかることだろう。

 太平洋クラブ御殿場コースを当てはめてみよう。

まず地形。程よい起伏を持つなだらかな丘陵地である。コース設計をするうえで理想的といえる地形は緩やかな丘陵で、欲をいえば高低差30メートル以内といわれる。極端な高低差があると、打ち上げ、打ち下ろしホールを生むことになり、ゴルファーのすべてを楽しませることが難しくなる。さまざまな技量のゴルファーが「楽しかった」と思わないとリピーターにはなりにくいからだ。

 ルーティング。これはとても大切な要素といえる。太陽は東から昇り、西に沈む。この基本条件を無視すると時間帯によってはプレーしにくくなるからだ。

画像: 記憶に残るすぐれたコース。まさにこの言葉がぴったりなゴルフ場だ

記憶に残るすぐれたコース。まさにこの言葉がぴったりなゴルフ場だ

太平洋クラブ御殿場コースの1~2番は東方向に進むが、3番では太陽を背にする。数ホールプレーするうちに太陽はより高くなり眩しさを感じることはない。肝心な最終ホールの18番は、西方向から東方向に進むプレーになるため、やはり太陽による眩しさはない。もちろん18ホールあれば、何ホールかは太陽に向かうホールも生じやすいが、太陽に正対するようなホールはないほうがよいといえる。またルーティングは、さまざまな方向に向かってプレーすることにより、ホールに変化を与え、プレーを面白くすることにもつながる。当然ホールから見え隠れする借景も変化することになり、印象的なホールも生まれてくる。

 優れた景観。プレー中に見ることのできる景観、つまり借景は重要な要素ともいえる。海に沿ってレイアウトされたコースは多くあるが、じつは海そのものがまったく見えないコースも多い。プレー中に海が眺望でき、遠く船が行きかう様は印象的で心に残り、しかもプレー中の緊張も和らげてくれる。建設地にある景観をどのように取り入れるかはコース設計者の腕の振るいどころだといえる。

この御殿場コースには、富士山という日本一の借景がある。ほんの一瞬、手を休め富士の雄姿を眺めるだけで、多くのゴルファーはある種の幸せ感を受けることだろう。優れた景観は、コースの表情をより豊かにしてくれる存在なのだ。

画像: 富士山を眺めるだけでプレー中、幸せな気分になれる

富士山を眺めるだけでプレー中、幸せな気分になれる

 ゴルフをしていて記憶に残るもののひとつにグリーンがある。

よく整備され、まるで絹のような表面のグリーンはゴルファーを虜にすることだろう。とくに高速グリーンでは、たとえ入らなく3パットをしてもても満足感は高くなるものだ。太平洋クラブ御殿場コースのもっとも優れている部分はグリーンだといえる。トーナメントプロの多くが「ツアーでもっともよいグリーン」との問いに対して御殿場コースを上げていることからも、評価の高いことがわかるだろう。

景観もよく、ホールもいい、だがグリーンの手入れが悪く、スリリングなパッティングが味わえない、となるとコース自体の評価はかなり下がってしまう。グリーンの仕上がりはコースの評価そのものともいえるからだ。その点、太平洋クラブ御殿場コースは、景観、ルーティング、グリーンの整備と速さなどすべてのカテゴリーで高得点だと断言できる。

 2018年、大規模な改修がおこなわれ、担当したのは名匠リース・ジョーンズ。リースは“オープンドクター”とも呼ばれ、全英や全米オープンを開催するコースの改修を多く手がけてきた。そして監修は松山英樹がプの目線で行った。この改修により全長も95ヤード伸びて7327ヤードになり、紛れもなく日本を代表する本格的チャンピオンコースに生まれ変わった。

太平洋クラブ御殿場コースは「もう一度プレーしたくなる」記憶に残る優れたコースだといえる。

解説/吉川丈雄

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